登場人物が綺麗な人たちばかりで気分よく見ていられました。

が

これをリアルだとは思えませんでした。例えば・・・

レズビアンの死に掛けの恋人。

死にそうな人間が自宅介護であんなに綺麗に身づくろいしていられるんでしょうか。そして介護する側もあんなにしょっちゅう呼び出されるのでは身体が参ってしまうはずです。けれどもおしゃれな身なりの彼女からは介護疲れが微塵も感じられません。現実の過酷さを前にしながら、昔の思い出話に浸ってあんな綺麗な涙を流すのにも違和感を感じました。

自殺した理由。

これについてはキャメロンが男とのすれ違いで生じた孤独がどうのこうのと言っていた気がします。でも本当にそんな理由なんでしょうか。だって帝王切開してるんですよ。腹切ってるんです。そこまでして子どもを産んだ過去のある女です。男との関係が悪くなったくらいで子どもを放っておいて死ぬものでしょうか。私は男よりも、子どもか金銭絡みのシビアで重い理由だと思うのです。キャメロンの推察はあまりに美し過ぎだと感じました。でも、これこそが事実だと言わんばかりの演出。ちょっと現実味がないなあ。

けれども何だかんだ言って、この映画を嫌いにはなれませんでした。だって、映画だから。生々しい現実ばかり大画面で見せられても嫌だから。構成の妙と、ちょっぴり孤独な綺麗なお姉さん方。私は、おしゃれな気分を味わえました。