[コメント] KIDS/キッズ(1995/米)
肉欲や「リアル」だけではない。ぬきがたく物語的。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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数年ぶりに観直したが、風化するどころかむしろ初見時より眼に焼きついた。
好き勝手やっているようだが、それでも女の子が、男の子(彼女にとって今の自分を説明しうる鍵をもった唯一の存在)を探すというストーリーが全体にしっかりと組み込まれている。そして、エイズが彼らの後を追ってくる。
ただ脚本以上に印象に残るのは、冒頭の醜いむさぼるようなキスシーン、地下鉄駅で奇妙な踊りを見せる痩せぎすの男、電車の中で金を募る下半身のない男、広場のリンチ、夜の光をはじくプールの水面と女同士のキス、ヤクを回す横に並んだ上半身裸の少年たち、眠りこける行き場のない(そしてあまりにも幼い)若者たちの寝顔。これだけ多くの構図(残像)を示してくれた作品はあまり観たことがない(敢えて挙げるなら、『ドゥ・ザ・ライト・シング』あたりに近いか)。
時代の空気を捉えんとしているように見えて、実際はもう少し普遍的な何かを捉えているのではないか。同種の他作品とは一線を画しているように感じた。
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