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[コメント] 模倣犯(2002/日)

一体こんな映画の何処を何を思ってどうやって見ればいいんだ!!人をバカにするにもほどがある。
HW

ある意味物凄い破壊力。見ている間の居心地の悪さ、見終わっての疲労感・・・映画鑑賞でこんなストレスが生まれる事があるとは今まで思いもしなかった。怒りを引き起こす映画、気力を奪う映画、苦痛を与える映画、何と呼んでもいいが、とにかく酷い。映画と呼べるのかも怪しい。眠気に襲われ、頭痛に襲われ、もう散々な気分になった。そのくせ、「腹の立つ映画」だと言えば言うほど、監督はしたり顔をしていそうなので、余計に腹が立つ。世の中にはしばしば「いけ好かない野郎だ」という言葉が痛快さを称える意を込めて発せられる事もあるが、これは全く別、本当にムカツク。

さすがに狙ってやってるんだろうけど(これがマジだというならもう本当に救いが無い)、この全編貫く安っぽさ・胡散臭さはただただ退屈で不快なだけ。「とりあえずニヤニヤしてりゃあ寂しげだろう!?」とでも言いたげなピースが「僕」「僕ら」口調で恥ずかしいセリフを語りだす度に、脚本を担当したのは、自分をIQ180のサイコ野郎だと妄想している中学生か誰かなのかと思ったが、やっぱり監督本人。ピースを取り巻く人間達の言動や行動原理も嘘臭い限りで(役者達もあまりの酷さに困惑しているようにしか見えないんですが)、おまけに「しっと!」とか「ふぁっく!」とか言わせたりする・・・もう本当に目のやり場に困らせられる。いや、きっとそれが意図的な作りなのだろうけど、何が楽しくてここまでやれるんだろうか。つくづく理解に苦しむ。キャラがペランペランなら、筋もズタズタ、映像もフニャフニャ。監督をここまで駆り立てたモノが一体何なのかそこばかりに疑問が浮かぶ。とりあえず監督はどうも嘲笑っているらしい。じゃあ、見る側には何を求めているのか。もしかして一緒に笑って欲しいのだろうか?残念ながら、俺には怒りしか湧き上がって来ない。

森田芳光監督が一定の地位を築いた人物だったからこそ、実験性だの皮肉だのとそれっぽい事を言えなくもないけど、それが事実であろうと何だろうと、映画が見るも無残で耐え難い出来である事に変わりは無い。これを許してはいけないと思う。映画の敵となる映画ってのはあるものだと再認識させられた。

(評価:★1)

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