社会・文化の関係というかな。随所でどうしてもリアリティーの問題に目が付く。要するに、ハリウッド型アクションを日本映画界でやろうとしたわけだが、ハリウッドが日本の時代劇をやろうとしているような違和感。日本人に銃は似合わないとか西洋人に日本刀は似合わないとか、そういうレベルの問題ではなく、身近にないものを映画で扱うには並みならぬ研究が必要という事。結構頑張っているとは思うが、製作者・出演者達が実感の持てないものをまして観客に実感たっぷりに見せる事はやはり難しい。銃の扱い方や人質の扱い方、交渉の進み方、素人目にもどこか不自然だった。特に無駄殺し・無駄死にの連発は酷かった。彼らの死はあまりに理不尽過ぎて、緊張感どころか駄作ムードを増幅させていただろう。

悪口ばかりになってしまったが、ちゃんと見れるレベルのアクションエンターテイメントには達していた。映画界という保守的体制の社会には、多少の力不足があってもこういった挑戦心を持った作品が必要だと思うし、実際、全体として十分の完成度はあった。ツッコミ所の十個や二十個はご愛嬌だ。（笑