しっかりしたものを作ればちゃんと面白くなるといういい実例じゃないかと。

1997年にキム・ジョンナムの従兄弟で南に亡命して、暴露本を出版していた（邦訳あり）イ・ハニョンが北の工作員に暗殺されたとされている。そういった視点からもなかなかリアリティのある作品ではある（影の存在ができすぎているきらいはあるし、暗号の使い方のご都合主義とか気になる点がないわけではないのだが）。フィリピン人妻の問題、その他韓国を舞台にして見事である。

しかし、そういった辺りをまったく抜きにしても映画の基本を押さえていて、チャン・フン監督の技量全開。エンタテイメントとして実にしっかりしている。家族、生き方、男。

や、カン・ドンウォン格好いいわ。