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[コメント] 白痴(1999/日)

手塚眞監督の手腕、世界観にただただ圧倒。
citron

映画開始直後から、どきどきさせられるシーンが続く。空襲の焼け跡で泣き叫ぶ子供や途方に暮れる人々を尻目に、家屋の残骸を踏み付けひびのこずえばりの衣裳を着てポーズをとるモデル達を撮り続けるマスコミの人間達。今まで感じたことのない違和感と、戦争がつい最近の出来事であるかのような錯覚。この感じが映画全体の下敷きとなっている。
架空の戦時下のTV局でADをつとめる伊沢の住んでいるボロボロのアパートと今にもつぶれそうな町並み、そこにあるちょっとおぞましい日常。画面が切り替わる度にどきどきする。対するTV局は戦時下とは思えないほど未来的で華やかだ。毎日その両極端の世界を行き来し、自殺を考える彼。
とにかく、どっぷりその世界につかっていたい、そんな気持ちになった。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)seijuro[*] ina

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