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[コメント] 陽もまた昇る(2007/香港=中国)

1日も早い劇場公開が望まれる傑作。
ナム太郎

「狂気」「愛」「銃」「夢」という4つの話が絡み合い1つの話を成すという構成には、すっきりとした筋書きを求める方々には意味不明な点があるかもしれないが、この映画がそのような理屈を求めていないことは、全く素晴らしいとしか言いようがない映像が何より雄弁に物語っていると思う。

太陽の少年』や『鬼が来た!』といった前作でもその映像表現が話題を呼んだチアン・ウェンだが、本作でも水面や風といった何気ない風景の捉え方の表現(特にさりげなくも印象的なあの光の使い方!)などにより円熟味を増した感があって深く感動した。終章の結婚式?と汽車のシーンもいい。

また俳優の演技も素晴らしかった。特に「狂気」篇で母を演じたチョウ・ユンの豊かさと言ったらどうだ。画面から発せられるこの異常なまでの豊かさには映画を超えた何かを感じるとも思いつつ鑑賞していたら、何のことはない、この映画のあと彼女とチアン・ウェンとの間には子どもまで誕生したとのことである。納得。

いろいろと事情はあるのだろうが、こんな映画が2010年4月現在の今でも劇場未公開とは勿体無い。1日も早い劇場公開が望まれる傑作である。

(評価:★5)

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