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[コメント] こちらあみ子(2022/日)

エンドクレジットが流れる中、あみ子の「応答せよ応答せよ こちらあみこ」の発信に、最後の最後で応答した人。。。
クワドラAS

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







それは尾野真千子演ずる「新しい」お母さんだった(たぶん間違いないと思う)。

まだ幼いあみ子にとって父親の再婚相手は異物とも映るだろうし、ルッキズムはいかんぞなんてのは知るよしもない中であの大きなホクロはさぞかし劇中歌でもあった「お化け」だったのだろう。ただ幼いと言えどあみ子は小学生高学年だ。自分に弟(実際は妹だったが)ができるという人が本来持っている生殖的な繋がりを感じていた。暑い中、汗を滴らせながら家の前で病院帰りの両親をじっと待っていたシーンに顕著だ。また、死産してしまって落胆している母親への公園での、あみ子なりのケアも純粋な心の持ち主だと分かる。寝込んでいるところにジュースを運ぶ姿も単純に優しいよなと。だがそれが行き過ぎた結果としてのお墓作りが母親のメンタル急降下を招いたと。

なんだろうな、同級生達が奔放過ぎるあみ子にあーだこーだなるのはしょーがないと思うが、母親そしてそれ以上に父親のあみ子に対する薄〜い空気感に(もしかしたらオレもそうかもしれない)、現代の親って弱くなっちゃったなと。ラストシーンの波打ち際で、それでも前向きなあみ子に不憫な思いを感じてしまった。

で、エンドクレジットのとこに戻るけど、最後、あの母親が応答してくれた事にちょっと救われた。時に人は距離を置くことも再生の意味で必要なんだろうなと。そして最後は当たり前だけど、親が認めてあげなきゃダメなんだよね。

(評価:★3)

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