[コメント] スター・ウォーズ エピソード2 クローンの攻撃(2002/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
さて、問題です。いつから『スターウォーズ』シリーズは『ドラゴンボール』になったのでしょうか?
いやぁ、いやぁ、驚いたの何の。その1。冒頭でアミダラの身代わりになってた人。髪型サザエさんだよ。笑っちゃうよ。ホント。
いやぁ、いやぁ、驚いたの何の。その2。やっぱ冒頭のテロップから始まるジョン・ウィリアムズの音楽と物語の説明は迫力あって興奮させる・・と思いきやうるさい。
いや、実は『スターウォーズ』シリーズを劇場で観たのは初めてなんですよ。勿論最初の3作はビデオ&テレビ放送。
そして『エピソード1』は友人からのビデオレンタル。
だから今迄すべて自宅鑑賞。しかもテレビだから音もいいわけじゃなし、迫力もないかもしれない。それでも冒頭のテロップはいつ見ても興奮だった。
が、しかし劇場で観てみるともう、うるさいうるさい。『E.T.』もそうだったが音楽がうるさい。ラストシーンのアナキンとふしだら・・じゃなかったアミダラが結婚みたいなことしてたシーンでも、音楽は耳障りだった。
そして本編が始まった。
まず見る前自分は『エピソード1』の失敗。そして前三部作のうちの最初以外の2作を見ての失望があったので、正直全然期待はしていなかった。
勿論始まってアナキンが血気盛んに追いかけ、オビ=ワンが落ち着いてアナキンをなだめる。そして始まる空中カーチェイス。(『フィフス・エレメント』からか?はたまた『ジャッジ・ドレッド』か?みたいな未来・・・/苦笑)
いやぁ、いやぁ、やっぱ追いかけっこだけあって、周りの変な空飛ぶ車たちを交わしながら追いかける上にスピード感が前作のポッド・レースよりもあり、なかなか迫力のあるような感じだった・・・が。
やはりそれでもテーマパークを越えていないし、なんかゲームのレースシーンか、ムービーシーンを見ているような感じ。
周りもCGでごちゃごちゃやってネオンが光まくってて、「あぁ、作られた未来が輝いてるよ」って感じ。
もう、もういいよジョージ・ルーカス。面白くないし、興奮できないし、どこにでもありそうだから、追いかけっこのシーンはやめてくれ。やってもいいけど、それは戦闘シーンの追いかけっこにしてくれ。例えばオビ=ワンが小惑星群の中を追いかけっこしてるシーンくらいの。
ただ単に追いかけあうなんて見ててほんとにCGで構築されたただのテーマパークアトラクションにしか見えない。
そのうえまぁ、これは中盤の3作が先に作られたから仕方ないが、オビ=ワンがいくらピンチになっても死なないってのがわかってしまって、何か緊張感も薄れてしまう。
中盤は少し退屈になってくる。いや、「中盤は」ではなく、前半もすでに少し退屈なのだが・・・。
中盤はアナキンのちょっとダークな面を見せてとってつけたような恋愛シーンが延々と続く一方で少しずつ黒幕が明らかになっていくという感じだが・・・。
その中盤のアミダラの祖国?に戻ってあの草原みたいな滝みたいな所で愛しあうところ。
風景は綺麗だ。息を呑むほど・・・か?ちょっとまてよ、そこで「あぁ綺麗だな」って思ってしまった。しかしそう思った次の瞬間自分がだまされている事に気付く。
『ロード・オブ・ザ・リング』はニュージーランドの広大な大自然(雪、山、草原、洞窟などなど)の中での迫力ある戦闘シーンだった。所々にB級モンスターなCGやら、色々なCGが使われていたがあの自然の風景はどうみても本物って映像だ。
『オーシャンズ11』もいくら人工的に作られたネオンの光であろうとも、それは人の手で作り上げた映像ではなく、人の手で作り上げられたネオンを写しているのでラスベガスの夜景が綺麗に見えた。
しかし『エピソード2』にある自然は本物も確かにあると思うが、おそらく背景はほとんどCGじゃないのか?
そんな「人の手によって作り上げられた映像」でルーカスは満足しているのか?ルーカスはこの映画でフィルムを使わないデジタルカメラを取り入れたという。そういえば『リリィ・シュシュのすべて』でも取り入れていた。
しかしあの映画では岩井俊二の独特の光の映像美があった。それと全く反対の人工的な光の映像美?ふざけるな。たしかに映画とは人の手によって作られるものだが、自然を人工で作り上げるなんてしていいのか?
まぁもしかしたらあのシーンでは一切CGを使ってなかったかもしれない(そんなことはないはずだが)。だからここまでにしておいて、次の『エピソード3』の時に批判は置いておこう。けどやっぱなぁ・・・。
それからあのごろごろ転がってじゃきーんって戦うロボ。なんかどこかの安っぽいB級映画にありそうだし・・・。戦いかたもどことなく『ジャッジ・ドレッド』と似てないか?
そしてクライマックスで処刑のところでジェダイが次々に現れて下に降りて多勢に無勢でも闘うシーン。笑ってしまった。
確かにあの銃は一応設定上では銃だが、一応光。そしてジェダイが振り回しているのは工事現場でおっさんが交通整理に振っているような棒を早く振っている感じ。
それが交錯して、あのコロセウムみたいな場所は光が飛び交ってるだけ。そしてジェダイは次々にかっこよく登場してさっさとくたばっていく・・。
間抜け。
C3POのキャラは今回もうざったく登場して馬鹿みたいに喋って口を開くたびにあの口を開かなくしてやりたいほどむかつくジャージャーよりもいいキャラになっていた。
それは前3作でC3POが俺にとってうざったいキャラだったが、いちいちデータだとか確率だとかで堅苦しいことばかりごたくを並べていたキャラだっただけに、「死ねジェダイ!」とか言った瞬間まじで笑いそうになった。
しかしその一個前のシーン。あの溶鉱炉みたいなわけのわからんロボ生産工場。まるっきしアクションゲーム。
あのシーンは別の意味で笑いそうになった。馬鹿馬鹿しくてアホっぽくて、この程度?って思えるほど酷いから。まぁ予告の段階で嫌気はきてたけどね。あのシーンには。
そして処刑場でジェダイが追い詰められる所。ドゥークーだっけ?あいつが「降伏しろ!」っていう。
そこで言って欲しかったな。あの映画のファンとしては。
「ネバー・サレンダー!ネバー・ギブアップ!」て。もし言ってくれたら一人で劇場で爆笑して5点つけて、ここで細かい批判してないんだろうな・・・。
そしてその後クローン兵士を呼び寄せてヨーダの指示による、戦闘開始。
この映画で唯一俺が興奮できたシーン。まだ理想に追いついてないといえど、それまでアホシーン満載なのにも関わらずそのシーンでは何もかも忘れて見入っていた。
あれこそ俺の望む「宇宙戦争」に限りなく近かった。前作のコメントにも書いたが、このシリーズは最初の作品以外ほとんど戦争らしい戦争は見当たらずどんどん時が経つに連れビジュアルを先行させ、ライトセーバーの個人対個人の戦いが増えていっていた。
勿論今回にもある。しかしそのライトセーバーアクションの一歩前にあるのだ。戦争が。
クローン兵とロボット兵士の戦い。確かに片方が一方的に責めていたが、それでもミサイルやら、歩兵やら色々活躍して爆発、レーザー光線銃、そして砂埃・・・。
おぉ、戦争だ!戦争だ!前作みたいに戦争よりも個人アクションが先行しているのではなく、まだ多少なりアホはしているものの戦争と個人アクションが今までよりもバランスよくなっている。
しかしその後一瞬で俺は笑いそうになった。格納庫へ向かう途中砂漠で低空飛行して追いかけるオビ=ワンたち。しかし彼らは砂埃の中目をしっかり開けている・・・。
砂漠といえば前3作にも沢山登場したが、今回の作品。ホントの砂漠ではなく、CGなのだ。もし、このシリーズでこれから雪の場所がでたらどうせ薄着で歩き回るんだろうな・・・。寒くないから。だってジェダイだもん!?
そしてついにラストの決闘。あのおっさんの使っている赤のライトセーバー。暗黒面だな・・・。二刀流やらフォースで物飛ばしたり。先頭も前作のようにスピーディーに展開・・・。
そしてアナキンが切られた腕。あの腕は・・・あの腕は・・・。
しかし、しかし・・。その後あのおっさん・・・そう、ヨーダの登場・・・。
ってあれ?強すぎ。いや、強くないが早い。これはギャグ?
このレビューの冒頭にも書いてるとおりフォースだかなんだか知らんが『ドラゴンボール』になってるし・・・。
ふぅ、ルーカスは気がついたらCGの鬼になっていたが、一方でエメリッヒにもソマーズもにも負けない馬鹿になってたんだな・・・。
ヨーダはもう少しかっこよく戦ってくれよ・・。あれだけ早く動けるならなんで杖持ってる?格好つけるため?
そういえば・・・『帝国の逆襲』でもヨーダ跳ね回ってたっけ?あっ、伏線・・・。
伏線といえばこの映画は前3作へ向かうための、伏線ばっかりだったな・・・。もの凄いもの凄い・・・。
ここで気になるのは前3作を見ているかいないか?ということになる。
ルーカスは恐らく脚本を書いていて「ここは伏線だな・・」って思ったに違いない。
そして彼は「俺は映画を作っているんじゃない、映画ファンの聖書『スターウォーズ』を作っているのだ」とでも思ってたかもしれない。
しかし、その聖書もきちんと読まないと。昔の三作を見ていないときちんと理解できないと。
見てない人かわいそう・・・。ふふふ(微笑)
しかしまぁ、やっぱ言わせて貰うけどさ。
お願いだからCGばっか使って映画撮らずにもっと、こう古臭く見えてもいいから「味」のあるSFを撮ってくれ、ルーカス。
その方が、今のCGの塊のアクションSFシリーズ化してしまった映画よりもいい作品ができると思うのはオレだけ?技術に頼らず自分に頼れ、ルーカス。
昔の三作の方が手作り感覚があって、ホンとに「特撮!SF!」って質感があって凄かったと思うけどな。
元々『スターウォーズ』に魅せられた人って何に見せられたのかな?
ストーリーかもしれない、ライトセーバーのかっこよさかもしれない。
しかし我が尊敬する上杉裕世さんは特撮、というか映像というのかな?まぁとにかくあの特撮の凄さに感動して映画にめり込んでいったんだ。
今の時代CGで何でも作れると言ってもいいほどになってしまった。CGで映画を作ったりしてしまう世の中だ。
CGが悪いわけじゃない。『スターウォーズ』のストーリーを批判するわけじゃない。
ただ純粋にルーカスの手作り情熱を見てみたいだけだ。
ファンの人もそう思ってる人がいるんじゃないかな?
音楽・・・3☆☆☆ 戦闘シーン・・・4☆☆☆☆ 映像・・・点もつけたくない
総合・・・2☆☆
無駄にだらだら長いレビューだな(^^;
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