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[コメント] HAZE(2005/日)

塚本監督らしい作品といえばそうだし、この閉塞感は確かに面白いと思うのだけど、だからと言ってそこに新鮮味がなければどうしても魅力を感じることが出来ない。ガツンと頭を殴るような塚本映画の衝撃を期待して行き、やや肩透かし。 2006年3月10日劇場鑑賞
ねこすけ

ちょっと期待外れだった印象。

やっていることは嫌いじゃないけども、別に好きと言う訳でもなく・・・。

コンクリートの中に閉じ込められた男の恐怖っていう風な話なんだけど、言うなれば、カナダ映画の『CUBE』に塚本監督の『鉄男』をミックスさせて描いた感じだろうか。ホラーなのはホラーなんだけど、一般的なホラーとは一線を画しているのは、やっぱり塚本監督らしいと言うか何と言うか。その所は素直に塚本監督らしいとは思うのだけど、でも、何か丸くきれいに収まっちゃった感じがして残念な印象を受けるのは僕だけだろうか?

結局、キャストの人数そのものも4人か5人ぐらいの低規模の映画だから、それからも分るのだけど、要するに主人公の感じている閉塞感・圧迫感を観客に疑似体験させる映画なんだろう。そういう意味じゃ、この映画は成功しているとは思うけど、でも、やっぱり塚本監督はこんなもんじゃないと思うんだよ。塚本監督はもっともっと、凄いことをやってくれる人だと信じていて、勿論この映画からもパワーを感じるんだけど、『鉄男』とか『バレット・バレエ』とか、そういう熱気をもっともっと欲しいんだよね。少なくとも俺は。

なので、嫌いじゃないけど、別に塚本監督にやって欲しいと思うような話でもなかった。非常に失礼な物言いかもしれないが、後に残るものも無くて、『鉄男』の時のようなガツンと頭を殴られた感覚も無くて、非常に残念な、後に何も残らないような、そんな印象を受けた。

上映時間は49分。

少し肩の力抜いて撮った作品なのだろうか。ビデオ撮りだし。しかし、塚本監督はコレまでフィルムでやってきた(はず)のに、ここにきて突然デジタルに切り替えたのは何かしら意図があったのだろうか。恐らく、今回は実験と言う感じも強いのではないだろうか。即ち、次に、或いは次の次に繋げる作品、というか。そう考えると、今後に期待をさせられるので、良いのだけども。

(評価:★3)

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