「コレは復讐ではない。戒めだ。復讐は感情的なものだが・・・」

と、カッコつけて能書き垂れてみた所で結局復讐以外の何物でもない所が、この映画の間抜けっぷりを象徴している。ココで言う「戒め」と言う奴は『処刑人』にこそ相応しい。「法で裁けぬ悪を裁く」とは、妻子を殺され、家族皆殺しにされた恨みを晴らす事は無い。

そもそも、合法的に闘って十分勝ち目のある戦いだから、法律の範囲で闘えば十分事足りると思う、と言うのは当事者でも無い俺が言うべき事じゃない上に、こんなアホB級映画に真面目に突っ込むのはバカ、と言う物か。まぁソレを承知で言わせて貰う。

やっぱり俺は「戒め」に見えないよ＞監督

因みに続編では恐らく「戒め」になってる事でしょう。とか言いながら、悪党を殺すたびに聖書を引用したりしたらそれは「戒め」ではなくパクリとなるのだが（深読みしすぎ

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しかし下手糞な映画だなぁ。まずこの手の話のくせに決定的にカタルシスに欠けている（ジョン・トラボルタの死に様は圧巻だけど、あれはバカで間抜けで呆れてしまうだけで、カタルシスとは言い難い気がする・・・）。個人的にはトラボルタ出ている事だし、ジョン・ウーとかで見て見たいんだがなぁ。敵マフィアの雑魚ドモをバンバンぶっ殺しながら、時々中ボスに苦戦しながら、遂に・・・みたいな。ドラマ重視＋硬派アクション路線で行くのならマイケル・マンとか良いかもしれない。まぁ尺が３時間近くになるかもしれないけど（爆死）

本来この作品が描くべきは映画的なカタルシスかもしれないけど、同時に「奴らにも妻子が居たのかもしれない」と言う苦悩を描くべきではないのか？人間は、他者を法的に裁く事は可能でも、こういった形で有無をも言わさぬ形で裁く事は決して出来ないはずだ。それを彼は行っている。しかも、妻子を失った人間が、愛する妻と無二の親友を殺させる、と言うのはどうなんだ？悪党なら愛する物を残酷に失えってか？と、葛藤すべきじゃないのか？

そんな、ぐらぐらと揺れ動く不安定な主人公の倫理観の中で、悲しみを背負い込みながら敵を一人一人血祭りに上げる、コレこそ俺が求めていた”等身大のヒーロー”（そして「ヒーローの葛藤」を上手く描いたのが同じマーヴェルコミック出身の『スパイダーマン』であると言うのは皮肉か？）であって、決して敵の銃弾をイチイチ喰らう様な中途半端に強い奴の事ではない。

映像的な派手さは別に追求すればいい。観客がカタルシスを感じるのは鬼畜の極悪非道の悪党が鮮やかにぶち殺された瞬間だ。ソレは映像でカバーできるはずだ。但し、その根底に主人公の葛藤を描かないとダメじゃん。単純に「愛する物を殺されてアル中になった」ってんなら、そら月並みっていうもんだ。あ、B級映画だからいいのか。

別に悪党を擁護したい訳じゃない。でも、妻子を殺された人間が同じ様に敵の妻子を殺して、それで満足って、そりゃあんた畜生だよ。っていうか、ストーリーとして捻りが無すぎだよ（爆死）

そもそも、観客が求めている事（敵に対する復讐・・じゃない、戒め）と主人公の悩みが別方向に向かえば、それだけ観客も、映画を見ながら「まだかな、まだかな」と待つはずだ。そして、殺された瞬間のカタルシスなんてたまんねーだろうが！

その”じれったさ”は、「主人公は中途半端に強い」と言う設定だけで生み出すべき物じゃないんだよ！

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あと、全体的に締りが無い。アクションシーンその物は割りと楽しめたし、ロシアンマッチョが攻めて来た際（っていうか、居所分かってるのなら、最初から攻撃しろよ、バカ＞トラボルタ）の格闘シーンとか（中途半端にギャグやってるのは苛付いたけど）中々楽しめたしのだけど、全体的にゆるゆるで、何かが決定的に作品レベルを凡庸に落としている。例えばゆるいギャグシーンや、作品に不釣合いのアパートの隣人とかになるか。

銃撃シーンも、弾数を抑えながら、主人公も無敵に描かず、毎度毎度被弾させる辺り、中途半端な意気込みを感じた。そのリアル志向には共感を覚える。が、しかし、それでもやるべき事ってのは別にあると思うぞ＞製作

大体、いくら防弾チョッキでも至近距離からショットガンで撃たれたら、さすがに立てねぇし走れねぇだろ。ターミネーターか何かですか？

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それから武器をあれだけ準備しておきながら結局使わない武器があったり、カットが変わったら武器が消えたりしているのは論外。『コマンドー』見て出直して来い。

けど、トラボルタをあんな殺し方したのは実に痛快！なんか車に引きずられながら、髪の毛が抜けるのを意識していそうで実に愉快だった（ぉぃ