コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] ストーリーテリング(2001/米)

フィクションだが、リアルで”ノンフィクション”な物語。前半が少々短すぎて、後半パートの印象が強すぎるのがやや難  2004年4月20日DVD鑑賞
ねこすけ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







最近やたらアメリカを批判するのが多い。実際、アメリカが周囲の批判されるだけの事をしているのも事実かもしれないが、俺にはどうしてもアメリカを批判する事で自分自身を隠しているだけにしか見えない。まぁそれは『ドッグヴィル』の感想なんだけどね。

で、この映画もアメリカの病んだ中流階級の裏側に迫っている作品なのだろうけど、個人的には、これがアメリカに限った事ではないような気もした。って、そもそも、面白いのだけど、イマイチ何を描こうとしたのか、個人的にはそれぞれの問題に軽くヒットアンドアウェイしてるだけにしか見えなかったので、何とも言えませんが、人種差別や障害者差別、階級社会に学歴社会、教育とそれを生み出した社会が与えるストレスの大きさと世間体への固執。

それがアメリカの事実かもしれないけど、同時に人間の事実で、日本にも起こり得る事実ではなかろうか、と思う。まぁ良く分からんけどね。少なからず、受験に対する姿勢は、この映画で描かれているまんまだと俺は思うよ。少なからずうちの学校ではそう。うちの家庭はあまり進路に関してしつこく聞いてこないのだけど、「大学に行かない」と言えば無理にでも行かそうとするだろう。

良く分かんねぇよ、この映画。どうしてあそこにホモの問題を絡めるのかが一番良く分からなかったし。

あの三男の鋭い一言一言の恐ろしさ(貧乏だから?とか何とか遠慮なくバンバン言い、親を催眠術にかけて兄貴を捨てさせる。一番怖かったのは、次男が助かる、と言った後に「親父を励ましているだけだよん」と言った一言でした)、普通にティーンやってる次男坊に、ぼんくら受験生の長男。

どうにもこうにも、後半の「ノンフィクション」パートはまさに「フィクション」であり、同時に「ノンフィクション」でもある。ソレに対して、前半パートの「フィクション」は、良く分からないのだけど、事実をフィクションとして描く、と言う意味での「フィクション」と「ノンフィクション」という関係が生まれているのかな?

良く分からないけど、郊外に於ける平凡な家庭と平凡な学校生活の裏側にある数々のブラックな”笑い”。しかし、そこで描かれているブラックユーモアを笑い飛ばしている我々もまた、狂気に染まっている、と言う事でしょうか。

試写会会場で、ドキュメンタリーを見ながら、「なりたいなりたい」ばかりで何も調べていない若者や、学歴や階級、世間体に固執し続ける親たちの愚鈍を笑ってみた所で、結局皆同じなんだろ。とか投げやりになってみたり。

ま、良くわかんないけど、チープな割りに楽しめたし、中々練りこまれていて面白いと思ふので、★1つおまけ。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (1 人)わっこ[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。