シリーズ化されるホラーの第一作目というのは、真面目路線が結構多い。基本に忠実で、ぶっ飛んだ方向へはあまりもっていかない。まぁまだネタが豊富で新鮮な訳だから当たり前といえば当たり前だけど。そういった意味でも、この１作目は純粋に楽しめた。ラリー・コーエンの捻りの効いた脚本には味わいがあったしね（褒めすぎかな？

この赤ん坊（そういえば名無しのままだ…）、思った以上に賢い。殺しの手口といえば「相手の喉元を噛み切る」という残虐な方法。直接的なシーンが無いためにいまいち噛み切ったのか長い爪で刺し殺したのか分からなかったりもするが、どっちにしろ絶命する確率の高い方法。…やりやがる！また、この赤ん坊は肉親と他人を区別できるらしく、かなり脳が発達しているとも考えられる！自らが犠牲となり刑事の元へ飛び込んでいくという特攻隊長ぶりも侮れない（自分も始めは父親が投げ飛ばしているのかと…）。特殊メイクを含め、こうやって赤ん坊のキャラクター設定がきちんとされている点は面白かった要因の一つかも。

正直、恐怖演出はまったくキレが無いし怖くない。それでも味わい深い！のがこの作品。「アンギャアア！アンギャアアー！」と叫ぶ声優(?)をはじめ、ちょっと気がおかしくなるママンや長男クリスを保護していたチャーリーさんのあまりにも無念すぎる死…なんてものなんかおかしくて…。また突然変異の赤ちゃんが誕生してしまった理由ははぐらかされたままだが、それはそれで余韻が生まれるからよし。（それだけに中盤のだるだるな展開はいただけない）

唯一、牛乳配達トラックを襲撃（笑）するところは見応えがあったかな。牛乳に混ざる血ってのはゾクゾクするね…