コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] アバウト・ア・ボーイ(2002/英=米=仏)

団塊の世代の子供たち、30歳前後の男性の50%以上が未婚。私もその1人。孤島。
peacefullife

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







孤独だけど自由。というのも実はこれはこれで捨てがたいものだったりする。全く繋がりがないのが嫌だと思う反面、実は繋がりなんて無い方が楽でいいというのも本音。

この世代を分析した研究で、群れで飛ぶ鳥に近いという例えをした研究者がいる。マーケティングの研究だが、「個々人が自分の意志で飛んでいながら、群れになる」という、鳥の群れと非常に良く似た行動が見受けられるのだという。

自分は他人とは違って、どこか特別だと思い、他人と全く同じ行動をするのは嫌がる。しかし、まったくの孤独で飛ぶのも不安がある。鳥は、別の鳥と近づきすぎると、お互いに少し距離を置いて飛ぶ。しかし、単独では飛ばないのだとか。全体にルールがあるのではなく、個々がルールを持って飛んでいると、あのような綺麗な群れが出来上がるのだという。

今30歳前後にさしかかる世代も同じような特徴があるのだとか。個人個人にはこだわりの傾向があるが、誰も見向きもしない方向に1人で行くことは滅多にない。群れの誰かが新しい方向に飛ぶと、それと微妙な距離を置きながら、同じ方向に飛ぶ。それは、外部の誰かが方向を示したのではなく、群れの中の誰かの行動がきっかけとなって、個々人の個性を失わずになされる集団行動である。この世代のヒット商品とは、このようにして生まれ、そしてすぐに消えて行く。

島と島の間には、見えない鎖があるのだろうか。

島同士は、くっつきすぎないよう、お互いに距離を置いている。鎖というよりは、伸び縮みの少ない棒のようなものにも私には思える。時には、島と島の間に橋をかけることもあるだろう。見えない繋がりではなくて、わざわざ繋がっていることを見せたり。

人間は孤島であり、列島であるように思える。

見えないところには鎖じゃなくて、大陸棚があるんだよ。

映画の話になってないな・・・・・。

と、色々考えながら、自分自身を振り返りながら、最後はハートウォーミングで良かった。一晩寝たら印象は変わったけれど、最初の感想を大切に、★4つ。見て爽快感はあった。

同じ世代の人は、同じように「孤独も愛している自分」とかを感じながら、どこか痛いなとか思いながら、最終的にホロッとさせられてしまったんじゃないか。。そう思う。

※余談ですが

映画で例えに出されていた「島」、私がたまたま引っ張り出した例え、「鳥」。字が似ているのは偶然か・・・・?

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (5 人)ジェリー[*] Yasu[*] ピロちゃんきゅ〜[*] よだか m[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。