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[コメント] 神様のカルテ(2011/日)

ヒューマン映画ですね。人の命をじっくり見つめた映画です。医療映画でありながらそこにきっちり仕事とモラル、階級とヒューマン志向との現実を描く。友情とは愛とは、そして人間と人間とのつながりを死を見据えたマクロレンズに写す。
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通常よりゆっくり目の思考回路で考える医師の姿がいい。フラット思考なんだ。何でも原点に戻り考えようとしている。人の意見を拒否することもない。ただこういう人は(ひがみではないですよ)優秀で、ある程度の社会的地位のある人だからこそ人に受け入られる。職場での「いい人」はそれほど尊敬されることは現実には少ないのだ。

そんな、すがすがしい信州の空気のような医師を櫻井翔が思いがけず好演。近くにいてもっと雄大な妻 宮崎あおいにひけを取らない演技で少々驚く。取り巻きの医療チームたち、神様のカルテをいただいた加賀まりこの演技もいいが、最近彼女はちょっと映画に出過ぎ?かな。老いてビジュアル的に使いたくなるのも分かるが、この使用感はこの作品を逆に一本調子気味にさせる。

加賀まりこの患者役について映画でも述べられていたが、医師だけでなく周囲の看護師たちもちょっとのめり込み過ぎるみたいである。ましてや医師の妻がカステラを買ってくるなど、これは本当であってもちょっとうざい感じもする。

僕はこの映画の製作をとてもうれしく思います。TOHOの大きな劇場で堂々とヤングを観客動員させ、アイドルを使うことでみんなが命の本質を少しでもかじりとることができるならこんな素晴らしいことはありません。映画館を出て、これは映画だけの話なんだ、ということにならないでほしいですね、、。

(評価:★4)

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