冒頭の綾瀬はるかとの出会いが何か違うなあと思っていたら、やはりラストで思い切った改編。でも、これはこれでこの方がまともで納得させる。綾瀬はるかが機構側の人間というのは普遍的な解釈。

途中、この惨劇が中継されていたというのは機構側の収益性をよく表し、原作の持つ大ボラ的な奇抜性を解消しており、まあ納得できる。この改編は結構厭ではない。

原作もそうだが、カードに書かれた有名ミステリーの凶器とか、クリスティの「そして誰もいなくなった」形式のインディアン人形が、一つづつなくなってゆく、といったわけではなく意味不明がそのまま残った。

演技的には藤原竜也の演劇的演技の違和感。石原さとみのあれほどの清純女優のあっけない最後のみじめさ。結構あの姿を延々と映していて気の毒。片平なぎさ、北大路欣也は彼らの望まれている演技はきっちりと出している。まあ、全体的に演出がメリハリがきいてなく、最近の映画としてはちょっと凡庸の出来だろうか。