お伽話の空間の中での、全てはめでたしめでたしで終わる物語。でも、チョコレートの中の様々なスパイスのように、物語の甘さのなかには、様々な味付けが施されている。しかも本来の味を損なわないように、細心の注意を払って。惜しむらくは、ブルース・ウィリス崩れの暴力亭主（決して悪人とは言い切れない奴だと思うのだが）が、結局最後まで追放されっ放しだったこと。これがちょっとシコリになってしまった。あとはジョニー・デップが戻ってきてしまったのも、蛇足だったような気が・・・（同じような生活を辿ってきた２人が、片や残り、片や放浪をつ続ける、というように主人公と彼を対比させた方が、話に奥行きが出たような気がするんですけど）。