コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 私家版(1996/仏)

(フランス製とはいえ)英国風折り目正しき脚本による復讐劇。が・・・・
くたー

皮肉な展開が作品全体の味になりきれてないので、淡々としているばかりか平坦な印象も。結局この映画に足りないのは、毒と遊び(=ブラックユーモア)なんでは?これはこのテの映画には欠かせないテイスト、おろそかにして欲しくないってのが個人的な希望。

良く整理された脚本ながら、時間軸での構成にヒネリがない。大して印象的な映像が用意されてるワケでもなし。秘書とのやり取りやアラビアのロレンス直筆の贋作を依頼した友人とのやり取り、それから女書評家との会話だってそうだし、ユーモラスに見えて何かユーモア感覚が足りない。語り口がシャープではないし展開もスピーディではないし極度な緊張を強いる作りでもないので、淡々とした分いろんな意味で遊びが欲しい。そういうところの膨らみがないので、本好きにはたまらない素材でも、必要以上に地味でこじんまりとした印象が否めない。そうそう、古本に関するウンチクももっと盛りこんで欲しかった。

でも考えてみれば、テレンス・スタンプ出ずっぱり。全体の9割は軽く越えているんでは?若い女の子とのロマンスまでほのかに用意されてて、見方によってはン十年遅れて作られた彼のアイドル映画(?)のような気もしてくる。ファンにはたまらんかもしれん。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (1 人)ごう[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。