謎の少女の「危険な能力」がポイント。いったいどういう能力なのか？なにがそれを引き起こすのか？隔離された祖母は一体？そしておきる悲劇。

そういういっぱいあるファクトをつなぎ合わせられて、物語は佳境に。消えてしまった「愛しい人」。なにがそれを引き起こしたのか？愛していたのか？憎んでいたのか？そしてテルマの心が昂るたびに、愛しいものが消えてゆく。

と、そんな少女の制御できない「願い」が引き起こす悲劇だった･･･はず。

だが最後の父親の事件、そして、アンニャ。これは一体？いっぱいの「？」が頭に浮かんだまま迎えたエンドロール。

監督の前作『母の残像』は、亡くなった母親の足跡をたどる家族の物語。それもすこし終わり方に戸惑ったが、今作はそれ以上。白黒はっきり派の私には、よく判らない映画でした。

ひとつ、水の中で溺れかけて、たどり着いた岸辺で、吐き出した「黒いもの」。それがテルマを蝕む「災厄」だったのか？吐き出したから、母の脚を治すことができたのか？そしてアンニャも。そういう「単純な話」ではない気がするんだけど。