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[コメント] ネオン・デーモン(2016/米=仏=デンマーク)

昼ドラ的な女たちの嫉妬と陰謀が渦巻く、破滅的な美の世界・・・というイメージを抱いて観たのですが、だいぶ裏切られた印象。
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







予告編のせいかもしれない。「私、ヤワじゃないわよ」という字幕が、「やられたら、やりかえす」「やられる前に、やれ」というイメージだった。追い詰められて、傷つけられたヒロインが、「悪魔」になって、美の世界に君臨してゆく、ような。それが『ネオン・デーモン』というタイトルの意味することなのかと。

そしたら、ちやほやされて、図に乗って、味方だった男の子も切り捨てて、「私って、特別だから・・・」とか、有頂天になって。気が付けば周りは敵だらけ。駆け登った梯子をつかむ手を引き剥がされて、真っ逆さまに落ちていった。あっけないよ。

映像は美しかった。PVのように。特にカメラマンのデズモンド・ハリントンが金色のやつを塗りたくるシーンは官能的。でもそれだけが映画じゃない。なんなんだ、部屋に戻れば「豹」が居た・・・って。

「ジェシーを追い出さなきゃ」と、アレを吐き出し、腹を掻っ捌いて息絶える。アレを拾って食べる。なんじゃそりゃ。でも、周りの女優さんたちは、がんばっていました。

姉のダコタちゃんが「安達祐実」になってしまったが、エル・ファニングは、順調に成長していた印象だったが、今回は表情が乏しく、ぜんぜん魅力的じゃなかった。「若さ、処女性」みたいなところを前面に置いてはいた。都会に出てきた女の子が強がってはいるものの、本当は怯えてギリギリの精神状態の中、精一杯強がっている。やさぐれたキアヌに襲われそうになって、ルビーに助けを求めたり、のところまではよかったのに。

なんか、めずらしく不満ばっかり書いてる。先入観いっぱいで見たせいなのかもしれないが、好きじゃないです。ある映画館のHPでこの映画の紹介文で、「絶賛の拍手喝采と、非難の嵐が、カンヌ映画祭の会場を真っ二つに引き裂いた」と書いてあったのをみて、妙に納得してしまった。

(評価:★2)

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