その｢殺人クラブ｣と、最近引っ張りだこのニコラス・ホルトが、全く役にたっていない。せっかくいい設定があるのに。原作は全く知らないが、｢殺人クラブの猟奇ファイル・シリーズ｣とか、あってもよさそうな雰囲気だけどね。

というわけで、セロン演じるリジーが孤軍奮闘、リジーと家族の物語として、映画は進む。兄が悪魔崇拝する背景は判らないが、いわゆる中二病的な延長か、若気の至りなのかな？一番判らないのが、兄とクロエちゃん演じる恋人との関係。兄が彼女を好きになるのは判るけど、彼女のようなイケてる女の子がボンクラ男子を好きになるのが、判らない。そしてその彼女の｢今｣がなかなか語られないから、すごく居心地が悪い。そして彼女の｢犯行｣が、唐突だったから、それが納得いかない。

そして話は進み、事件の全容がわかってくると、その｢原因｣が、裕福な家の女の子の｢狂言｣だっていうのが、やりきれない。｢貧乏人なのにたくさん子供作って｣とか言われながら、耐えてきた母親の絶望は、想像を絶するであろう。そして下した決断は、決して肯定できないが、気持ちは判るからつらい。

という訳で、セロンと家族の物語は良かっただけに、殺人クラブの部分が消化不良で、物足りない。