コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] イングロリアス・バスターズ(2009/米=独)

うっかり、「ブラピ主演」で「あのポスター」で、QT映画という事を忘れて、「痛快なブラック・コメディ」のつもりで見て、撃沈されました。
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







あぁ、そうでした。『キル・ビル』の人でした。『パルプ・フィクション』の人でした。そう考えて、改めて考え直してみれば、確実に「QT映画」でした。カワハギ描写に思わず目を背けてしまいました。劇場内がさっと「引いた」のが感じられました。それならば、この映画は十分「あり」なんです。

でもそこにブラピが機能していたとは思えません。映画に溶け込んでいたとは思えません。冷酷なシーンが全然板についていません。あくまで「ブラピ」のオーラが出ていたせいなのか、クライマックスの劇場のシーンで、『バーン・アフター・リーディング』のように大ドジかますか、『オーシャンズ11』のように鮮やかに任務を遂行するか、そんな展開を「期待」してしまう自分がいたので、どっちつかずの成り行きに、不満が残ります。(これは「宣伝」が悪いのかもしれない)。

群像劇ともいえるこの映画で、この役はそもそも「主役」ではないよね。あえて主役を決めるなら、女劇場主ロランの方だよね。ならば、それこそ『バーン・アフター・リーディング』のように「助演」扱いにするか、もうすこし格下の俳優にするか。主演級の俳優でもジョニデディカプーならイケるかも(イメージできるかも、が正しい)。イメージできない!ってのが新たな試みだったのかもしれないが、意外に「演技の幅」が豊富でないんだと思えてしまう。

映画としては「あり」です。英語・独語・仏語(怪しい伊語も)をちゃんと使い分けていたし、大好きなダイアン・クルーガーは素敵だし、ロラン姐さんも素敵(映写室の最期の決着は鳥肌モノの美しさ)。もうちょっと結末を「痛快」にしていてくれたなら、もっと高得点だったかもしれない。

ドイツ人俳優はあまり詳しくないけど、どこかで見たことあると思ったバスターズの一人ティル・シュヴァイガーは『ドリヴン』のトップレーサー役のひとだったか。(ポスターの一番右の人)。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (1 人)uyo[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。