[コメント] ブロウ(2001/米)
金が生み出す巨万の幻想。
そして幻想が奪う、全ての現実。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
金とは幻想である。 幻想であるからこそ、甘美でいつでもそれに憧れる。
甘美であるからこそ、それに溺れる。 そして、気付いた時には、 頭の先まで痺れるような毒に染まってしまう。
それが、高々、植物を空輸しただけで得られるモノだとするならば、尚の事かも知れない。
もの静かな父親と、金にうるさいヒステリックな母親な元で育ったジョージ。 そして、そんな家族にはなりたくないと足掻いて、 巨万の富を築いても、 結局、ヒステリックな妻をもらい、 自身もどこか気の弱い夫であると言う、 何ら自分の見てきた夫婦と変わらないと言うのは哀しい所。
そして、いくら巨万の富を築いたところで、人が最も興味があるのは、 たくさんの数字が羅列した紙切れでは無く、 自分と言う人間を確立しうる、「人」と言う存在であり、 その「人」が自分の血を分けた娘であると言うのは、 「それだけ、ドラッグで金稼ぎまくって甘い事ぬかしてんじゃねぇヨ」とか 思いつつも、 ちょい同情し、 「この映画、娘のクリスティーナは見たのかなぁ?」とか思い、 少し感傷的になってしまいました。
金と言う幻想は全てを手に入れられるけど、 時にそれで築いたモノを全て奪う、それも手に入れたモノよりも多く、 などとも思いました。 (ま、それでも金欲しいですけどね・・)
ジョニー・デップの好演が際立つ、良作です。
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