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[コメント] いつか晴れた日に(1995/米)

ここまでやられるとイギリス人監督の立つ瀬が無くなってしまいそう。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 まさに本作はイギリス上流階級の作品!と言った風情があるのだが、何故かこれを監督したのは台湾出身のリー監督。後になってそれを知って驚かされたが、考えてみるとリー監督は世界的メジャー作品となった『推手』以来、外国の風景を本当に美しく撮ることに長けていて、世界的な意味でこの時点で既に大監督の風情を持っている。本作も美しいイギリスの田園風景とそこにいる人達の当時の風俗というか、格好が見事にはまっていた。オースティン原作作品の場合、これをクリアしてることが最低条件だが、想像以上のはまり具合を見せている。というか、ここまで表現されてしまっては、イギリス人監督の立つ瀬が無くなってしまうのでは?むしろ遠くから観ていたからこそ、ここまでのものができたのかもしれない。

 キャラもうまくはまってる。脚本も書いたと言うだけあって、トンプソンが割と汚れ役も買って出ているのだが、ラストに至るまでやや頑なさが激しすぎ、観ようによってはエキセントリックにも見えるのだが、ラストにいたって従順になっていく過程がなるほど巧い。収めるべき所にきちっと収めてくれていた。

 物語は一方調子で単純ながら、雰囲気とキャラ描写できっちり見せてくれるのはリー監督の手腕だろうね。

(評価:★4)

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