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[コメント] ドラえもん のび太と竜の騎士(1987/日)

「ムー」ネタ満載の子どもの夢。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 前作『ドラえもん のび太と鉄人兵団』のヒットを受けて作られた本作もSF要素の強い作品になった。こちらは地球空洞説という、これも昔のSFを知っている人だったらにやつけること必至のネタ。

 地球空洞説は某学研雑誌では本当にあるものとして書かれていたりして、70年代の子供たちにはおなじみの概念。また恐竜の並行進化も70〜90年代にわたって醸成されたもので、この二つを合わせたものを本作のベースとした。それに本作の醍醐味である時間を用いたトリックを組み込んで、原作者の藤子不二雄(藤本弘)の大好物を合わせたものとなっていた。

 SFマインドをくすぐるテーマの組み合わせと、きちんと物語が結末を迎えていることで、かなりバランスの良い作品になってる。

 ただ、見た感じ前作ほど組み合わせがはまってはいなかった感はある。地下にいる爬虫類人類があまりに普通に人間と同じなので、それが観た当時違和感になっていてはまりこめなかった。爬虫類人類の常識があまりにも80年代の人類と似通いすぎているので、新味がなかった。物語を進めるためにはそれは仕方なかったのかもしれないけど、哺乳類人類とは生態から違っているのだから、常識も変わっていてもらいたかったというのがずっと残ってしまったのかもしれない。

 だからなんかモヤモヤしたところが残ってしまう。『のび太と鉄人兵団』の場合は頭がオーバーフローしてしまうくらいの設定が出てきたので、その辺が全く気にならなかったのかもしれない。本作は物語をしっかりとさせたために逆に違和感として残ったのかもしれない。

(評価:★3)

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