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[コメント] 黄昏に瞳やさしく(1990/仏=伊)

なんかイタリア製小津映画を観てるような気分。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 イタリアの名優マストロヤンニの晩年の作品で、結局彼の巧さだけが突出した作品となった。マストロヤンニも、随分歳食ったものだ。その年代に合わせてしっかり演じたから名優たる所以なんだろうけどね。

 物語自体は非常に静かに、世代間のギャップを鋭くえぐった観があり、1970年代のイタリアというものの世相をよく表していたんじゃないかな?敗戦の反省と世界的な厭戦気分から、インテリゲンチャはどんどん共産主義の思考を強くしていき、若者は奔放に生き始めた。マストロヤンニ演じるブルスキ教授は、その進歩的インテリゲンチャの代表であり、息子の嫁さんステラは若者の代表みたいな存在。それに更にステラの子供パペレがほんとに不思議な子供なので、三世代に渡る感覚の相違が面白い…

 私は子供の頃は両親が共働きだったため、祖父母に育てられたようなものだが、ブルスキが祖父に重なった…今考えてみると、そう言えばかなり似てたような気もする。なんかそれがノスタルジックな思い出をかき立てる。

 概ね退屈な作品だが、マストロヤンニの名演ぶりは堪能できたし、なんかノスタルジーも感じられたので、結構良い作品だったのかも…我ながらいい加減な(笑)

(評価:★3)

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