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[コメント] 栄光のル・マン(1971/米)

実は日本映画にも一つの進歩をもたらした重要な作品である。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 マックィーンの力の入れようは並でなく、実際のル・マン耐久とタイアップして前年のレース模様そのものを映画で使用し、その意味では極めて臨場感の高いものに仕上げている。なんせ本物のレース風景が観られるので、現在においても、当時の耐久レースを普通に観ることが出来る資料映像のようにも観られると言う強味がある。

 全般に物語性は低いのが難点と言えば難点だが、それ以上にマックィーンの格好良さと臨場感で充分観られる作品と言えよう。一度観ておくことはお薦め出来る。

 日本においても本作は大ヒットしたが、実は本作は日本に重要なものをもたらした作品でもある。

 日本の配給元である東和映画は映画の一場面の使用を松下に認めたが、それを使われたマックィーンは肖像権の侵害として訴え、東和側が敗訴してしまう。

 これ以降肖像権の概念が日本にも入ってくるようになり、ここで日本にも国際的な映像権利の概念が浸透していくことになった。

 そんな意味で、日本における映画史を少し進歩させた一本として観ておくべき作品だろう。

(評価:★3)

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