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[コメント] ケーブルガイ(1996/米)

本作の最大の見所は、実はポスターに出ていたにこやか(?)に笑うキャリーの微笑みでしょう。良いポスターでした。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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 “百面相”キャリーがケーブルガイに扮した、ホラー調のスラップスティックコメディ。

 ケーブルガイというのは本来“ケーブルテレビ設置工”を意味するが、俗語では、“いい加減な男”あるいは“迷惑な男”という意味もある。実にその通りで、ここまでやるか?と言うキャリーの暴走ぶりが観られる。

 一応コメディになるんだろうけど、これが楽しいか?と言われると、結構微妙だったりする。実際、かつて好意の押し売りを経験したり、ストーカーにつきまとわれた人間が観たら、これはコメディよりはサスペンスとして観てしまい、純粋に楽しむことは出来ないだろう。私自身はストーカーにつきまとわれたことは(勿論やったことも)ないが、実生活で変な人間に好かれることは時折あって、慕ってくれるのはありがたいが、その結果、自分の話ばかりを延々と聞かされて辟易したことは何度もある。そう言う目から観ると、本作はやっぱり素直に楽しめる作品ではなかった(そう言う人って多いと思う)。

 本作はとにかく彼の濃いキャラクタ性を前面に押し出して、その行動を完全に受け身になって観ているだけの作品となっているが、流石にキャリーは芸達者。見事なくらいにはまり役で、ここまでやれるのはキャリーしかいない。まさに彼のためにあった役としか思えない。特に表情の豊かさには驚かされる。ほんの些細なことで極端に誇張された喜怒哀楽が出てくるので、少なくとも、飽きることだけはない。ブロデリックもこういう情けない役はぴったりだな。

 ストーリー性は大変低いが、キャラクタを観るだけでお腹一杯になる。濃厚なコメディが好きな人には是非お薦めの作品だ。

(評価:★3)

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