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[コメント] 鋼鉄の巨人(1957/日)

和製ヒーローはこれから始まった。でも一番凄いのは、これを石井輝男が作ったという点ではなかろうか?
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 「ウルトラマン」に先行すること約10年。巨大化こそしないものの、SF特撮ヒーローが誕生した(ちなみにアメリカで放映された初の和製ヒーローでもある)。それまでチャンバラが担っていた連続活劇をSFにしたような話だが、その分単純明快で、スカッとする活躍が楽しめる。

 ただ、先行してあった『地球の静止する日』(1951)にインスパイアされたか(勿論『ゴジラ』(1954)もあるし)、ちゃんと時事ネタとして、原水爆禁止を訴えかけるものもちゃんと持っている。主人公は異星人だが、何故地球に来たかと言えば、それは原水爆が地球のみならず宇宙にも悪影響を及ぼすという事を伝えに来たという。しかも武力ではなく話し合いを基調として。と言うのがやっぱり『地球の静止する日』って感じではある。これこそが本来のSFの持つ力というものだ。

 まあ、物語が単純すぎたりするきらいはあるけど、連続活劇ってことで考えるなら低予算で充分。

 それにしても、これが石井監督が作ったと言うのが結構な驚きなのかも?なんだかんだで芸域の廣い監督だな。

 …言うつもりはなかったけど、本作の冒頭部分は凄いツッコミ部分。

 宇宙から飛んできたスーパージャイアンツが突然スーツ姿で飛行機の中に入り込んでしまうのは、まだ良いとして、その後飛行機のフラップを直しに外に出たジャイアンツがやってる事って、尾翼を押してるだけで、しかも直った途端飛行機の上でスーツ姿に変身。そのまま歩いて飛行機の中に行く…どうやって?しかもそれまで風圧で飛ばされそうになってたのに、スーツになった途端普通に歩いてる。

(評価:★3)

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