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[コメント] 殺したい女(1986/米)

まあ、男として言わせてもらえれば、「その気持ちは分かる」。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 80年代のコメディ・スターとして真っ先に挙げられるであろうデヴィートは、本作と翌年の『鬼ママを殺せ』も、監督作となった『ローズ家の戦争』であれ、憎み合う家族を題材としたブラック・ジョークが凄く映える。こう言っては何だが、自分の体型を本当に上手く活かした役作りが出来ているからだろう。

 本作のブラックぶりもかなり凄まじいもの。ここに登場する人物はみんな小悪党で、大きな犯罪が出来る人は誰もいない。だから自分の手を汚さずに犯罪を犯そうとあの手この手と頭を絞るうちに事態があらぬ方向に飛んでしまい…という、無茶苦茶ぶりを笑う作品である。

 物語としてはあり得ない展開が次々と出てくるので、「なんだこりゃ」とか言いながら大笑いして観ていられるし、何よりも、本作で一番エキセントリックなミドラーのキャラの立ち方が半端ない。まさに女傑。もの凄い存在感だ。元々が濃い目のキャラなので、それがエキセントリックになると、かくや。たる存在感を楽しむ作品だ。

 そのミドラーが“一応”正義の側に立っているのも面白い立ち位置で、お陰で周りにいる人間が全員被害者のように見えてしまう。はっきり言ってこんなのが近所にいたら相当に嫌になるだろう。ましてや妻となっては…こういう奴に、正義を握らせるとどれだけ恐ろしい事になるのかがよく分かる。

(評価:★3)

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