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[コメント] 愛情物語(1955/米)

これくらい一人の人間だけ出してくれるのは、いっそ清々しいかも。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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 1930年代の実在のピアニスト、エディ=デューチンの伝記物語で、それまでアクションスターとばかり思われていたタイロン=パワーが演技派として見事に転身した作品。1956年全米興行成績8位。

 相手役にキム=ノヴァクという当世トップアイドルを配していたとはいえ、実際本作の中心はパワー本人で、全てを持っていったと言った感じ。前半の方はあまりにもありがちな話として片づけるとして(ロマコメ嫌いだから)、中盤になって話が重くなってからが本当に面白くなっていく。特にそれまで亡くなった妻を思い出すからという理由で放っておいた息子と和解していく過程が本当に良かった(こちらの方はモロにツボ)。特に親子でグランドピアノを弾くシーンは、ぐぐっとくる。

 タイロン=パワーはアクションスターと言われるけど、実際は実力派の個性俳優であることを改めて知る事が出来た。そして個性が強すぎるから、出すんだったら徹底的に出して丁度良いくらいだってことも。

 そう言うことで本作は非常に見所の多い作品で、オールラウンドに受け入れられる作品だと言える。伝記好きな人にも、音楽好きな人にも、ロマコメ好きな人にも、ファミリー映画好きな人にも受け入れられ、家族全員で観られる。一方でベタとはいえ、当時のハリウッドの映画作りの手堅さをよく知ることが出来る作品。あらゆる人にお勧め出来る珍しい作品。

(評価:★4)

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