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[コメント] ハナ子さん(1943/日)

それでもやっぱりはっきり言えるのは、戦争は絶対嫌だということ。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 戦前から雑誌連載されていたコメディ小説をベースに作られた作品。これが製作された時はまさしく太平洋戦争のど真ん中。戦争で負け続け、どんどん悪化する国内事情の中でコメディを作ったというだけでも賞賛に値する作品だろう。逆にこんな時だからこそ喜劇を作って人の心を少しでも明るくしようという制作会社側の配慮もあったのかもしれない。

 本作の最大の特徴は、まさしく太平洋戦争が行われているその年に作られていると言う点にある。実際にその時に行われていることを描いているのだから、本作の描写はリアルだ。ここでは空襲に備えた防災訓練やバケツリレーなど、普通に生活してると分からない変わった生活がなかなか興味深い。

 本作はプロパガンダも含まれるため、銃後の生活がえらく明るく描かれていて、それが鼻につく部分もあるのだが、改めて思うと、連帯感とかみんなで一つのことをやってる楽しさとかもあったんだろう。

 最初に本作観たときは反発感の方が強かったが、改めて考えるに、市井の生活の描写は馬鹿にするものではなかろう。

(評価:★3)

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