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[コメント] アントマン&ワスプ(2018/米)

単体だとストレートなヒーローアクションだが、シリーズの強さを見せる事になる。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 マーベル・シネマティック・ユニヴァースも本作で20作目。『シビル・ウォー キャプテン・アメリカ』(2016)の二年後にあたり、『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』(2018)と同じ時間軸で展開する。サノスがインフィニティ・ガントレットを発動するその瞬間までの話なので、アフリカでアベンジャーズ達が戦ってる背後でアメリカでは何が起こっていたかを描く事になる。

 それで何をやっていたかというと、ストレートでヒロイックな救出劇だった。

 本作の目的はかつて限度を超えた縮小をしてしまい粒子の世界に行ってしまったジャネットを救うこと。それは違法な方法なので、他の誰にも頼ることが出来ず、身内だけでのアクションを描く事になる。その過程がとてもストレートで、こう言っては何だが、昔懐かしい古いSFヒーロー作品そのまんま。その分安心できるというか、なんか見慣れた感じ。

 ストーリーの弱さの問題は、主人公のスコットのモチベーションの低さによるものだろう。一作目の『アントマン』ではいろんな意味で崖っぷちからの脱出劇だったためにスコットのモチベーションが高く、それが緊張感を与えていたが、この作品ではスコットは基本的に満たされた状態のために、どうしてもテンションが低くなる。観ていてテンションの低さが分かるため、ストーリーが今ひとつと言った感じになってしまった。

 MCUの中に入れるには些か単純すぎる話だが、MCUは幅があるので、こう言うのもあって良いんだろう。

 むしろこの作品で重要なのは後にシリーズのキーとなる粒子世界の存在と、ラストシーンでその粒子世界の中に残されてしまったスコットの存在となるだろう。この設定は『アベンジャーズ エンドゲーム』(2019)になってから大変重要な意味を持つため、予習として観るべき作品である。

(評価:★3)

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