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[コメント] バイオハザード III(2007/米=英=独=豪=仏)

ジョヴォヴィッチがリビングデッドものに登場すれば、それが『バイオハザード』になるという構図。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 ゲーム原作ながら独自路線を突き進むシリーズ第3作。この1作目はそもそもゲームの方が好きだから、失敗しても話のネタに位はなるだろうと言う不埒な思いで観に行ったのだが、予想に反してしっかりした作りと雰囲気を持つことが分かり、2作目になると、1作目で取り残した設定をうまく活かしつつ、物語単体の作りとしても水準以上の出来。そんなわけでこの3作目はかなり楽しみにしていた作品だった。

 さてそれでその出来であるが…

 少なくとも世にたくさんあるリビングデッドものの映画としてなら水準には達していた。暗闇から襲い来るウィルス感染者の姿や、なかなか死なないそいつらに銃弾を次々に撃ち込む快感なども確かにしっかりと演出出来ていたとは思う。

 …が、これがシリーズ3作目と言うのには首を傾げてしまう。確かに主人公のアリスは存在してるし、物語の設定としても『バイオハザード』(2002)そのものではあるのだが、設定そのものを全然活かす気がないらしく、別段その設定を使わなくても物語には大差ない。むしろ演出が良いだけで、かつてのフルチ作品レベルにまで物語は下がってしまった感じ。この程度の脚本しか書けないんだったら、何もこんなに待たせる必要はなさそうなものだ。

 それにショック映像に凝るあまり、単に観客を驚かせるだけの物語に堕してしまってる。設定や物語で見せることを放棄してしまった時点で映画は終わってしまった感じ。ショックシーンを極力排して怖さを演出し、物語で見せてくれることを期待していただけに完全な肩すかしを食ってしまった感じである。

 前回までの人間関係をとりあえず切ったのはかまわないけど、それに代わるものを用意できず、前回である程度自分の体のことを知っているはずのアリスがあまりに無頓着に暴れすぎている描写も引く。

 ラストも結局引きになったが、仮に出来たとして、4作目は劇場で観る必要はなさそうだ。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)Keita[*]

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