コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] トータル・リコール(1990/米)

冒頭の「リコール・マシン」にデジャヴュが…これ、マンガの『COBRA』そのまんまじゃ?ひょっとしてヴァーホーベン監督、この漫画、読んでない?
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 フィリップ=K=ディックの短編「追憶売ります」を基に原作を大幅に改編し、マッチョなシュワルツェネッガーを主演としたアクション大作。元々はクローネンバーグ監督にオファーが来たようだったが、どっちが面白くなったかは分からないなあ。個人的にはクローネンバーグ作品として観てみたかった気もする。

 しかし、さすがはヴァーホーベン。監督の悪趣味が見事にアクション作に適応していて、その点は感心できる。鼻の中に機械突っ込んで通信機を引っ張り出すシーンやら、フリークス満載の火星の街の描写とか、ラストの目玉飛び出しの悪趣味演出だとか(特殊メイクのロブ=ボッディンの面目躍如)。主人公が通行人を盾にして銃撃戦を行うという、ヒーローにあるまじき行為もなかなかのものだ…結果的にヴァーホーベン監督で成功だったのかな?

 さて、本作のキャラクターを考えてみると、シュワルツェネッガーとシャロン=ストーンをわざわざ起用した意味が今ひとつ分かりづらいが、このキャラクターのお陰で本作が大々的に売り出せたんだから、それは良しか。個人的には『ロボコップ』(1987)から続いてヴァーホーベン映画に悪役で登場したロニー=コックスが良いね。あのねっとりしたサディスティックな感じのする悪役ってはまりすぎ(褒め言葉だよ)。

 ストーリーは殆ど何も後に残らないが、その思い切りの良さが監督の味だ。ただ一つ、難を言わせてもらうと、主人公ダグの夢で物語は始まったのだが、肝心のその夢はあのオチでは解消されることが無かったってことだな。そりゃ色々やってたけど、肝心の自分を取り戻さないまま終わってしまってはねえ。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (1 人)Myurakz[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。