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[コメント] 噂の二人(1961/米)

きっつい話でした。この作品ではヘップバーンよりもマクレーンの方が巧く感じますね。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 リリアン=ヘルマンの戯曲「子供たちの時間」の映画化。

 ワイラー監督はかつて同じを用い、ミリアム=ホプキンス、マール=オベロンを主演に『この三人』を監督したが(私は未見)、その時は時代の制約があったため、監督自身は大変不満に思っていたらしく(具体的には同性愛的な発言の部分)、本作で再挑戦。

 ワイラー監督はとにかく役者に無理を強いることで有名で、しかも満足行くまで徹底的に撮影を続けたため、“90テイク・ワイラー”の異名を取ったそうだが、そんな監督が用いたというだけでヘップバーン、マクレーンとも名演ぶりを見せる。『ローマの休日』(1953)の時とは異なり、ヘップバーンは抑えた演技に徹し、一方、激しい気性を見せるのがマクレーンの方。世代交代を見ているかのようでこの配役は面白い。特にヘップバーンはワイラー監督自身が作り出した『ローマの休日』での清楚なイメージが見事なほどに打ち砕かれてる。それが俳優としての成熟って奴なのかも知れない。

 ただ、こういう徹底的に人間を責め、人間性をむき出しにさせる作品ってのは、どうにも心地悪く、キャラが上手ければ上手いほど観てるだけきつくなる。

 本当にこれ、観終わった後、どーっと疲れを感じる作品である。本作を観る場合、それなりの心構えと、安定した精神状態が必要。

(評価:★3)

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