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[コメント] セブンソード(2005/香港=中国=韓国)

全て演出の悪さで損してますね。勿体ない。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 アクションには定評のあるツイ・ハーク監督作品と言うこと(そして音楽が川井憲次が担当していると言うことで)で、これならはずれは無かろうと思って勇んで劇場に向かったのだが…

 物語だって決して極端に悪いと言うこともないし、アクションに関しては充分に格好良いし面白いと言えるのだが…何か雑然とした感じの作品に仕上がってしまった。と言うのが正直な感想。

 この悪さを何の責任にするかというと、やはりこれは演出の悪さと言うことになるだろう。

 特にアクションを撮る場合、斬新な映像よりもある程度ベタな演出の方が良い。動的なシーンでアングルに凝りすぎると何をやってるのか分からなくなるのだ。更に本作は7人もの人物を出さねばならないため、それが動き回るとめまぐるしくカメラが動き回るので、本当に何が何だか分からない。肝心な見せ場が切れ切れになってしまい、残念ながらアクション大作としてならば駄目な作品だ。アクションそのものは結構良いんだから、もうちょっと撮り方を考えて欲しかった。少なくともイーモウ監督の『LOVERS』(2004)なんかは、どれほど乱戦状態になっても、中心となる人物がはっきり撮影できていたので、出来ないことはないはずなのだ。動的な部分でカメラを動かしすぎたため、ちょっと酔いそうになる。

 それと、間をつなぐ静的なシーンがちょっとかったるすぎ。もうちょっと危機感を出すなり、主人公をはっきりとさせて、その部分の成長物語のようにすれば良かった。主人公7人というのはいかんせん多すぎ。それと消化できてない伏線も多かった(あの天下無双の剣は何の意味があったんだ?)。3時間近くもかける必要もなし。

 本作には原作があるそうだが、それを忠実に作るのではなく、切るべき所はばっさりと切ってしまわねばならなかったはずなんだが。

 耳になじんだ川井節を堪能できたのは嬉しい反面、中世の中国を舞台にするのだから、音楽の方もプラスアルファが欲しかった感じか。

 誰にでもお勧めできるって感じの作品じゃないな。

(評価:★3)

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