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[コメント] 座頭市の歌が聞える(1966/日)

耐えに耐えて…これが真骨頂。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 前作12作目の『座頭市地獄旅』(1965)で心機一転したシリーズ。13作目の本作はストーリーに関しては再び元のプログラムピクチャーに戻ってしまった感じだが、今回の物語は、居合いを封じ更にライバルキャラを配することで市の強さをますます際だたせることに成功もしてる。やっぱり本当にアクションが映えるのは、耐えに耐えて最後に爆発。というフォーマットだからね。最後の殺陣をいかに映えさせるか。という点で観るなら、本作は教科書的な良さで観ることが出来るだろう。表題にあるとおり歌の演出もかなりうまく作られ、時として市の心情を物語り、時として心を不安にさせる良い演出になってる。

 今回はかつて第一作の『座頭市物語』で平手造酒をやった天知茂が再登場。相変わらず不遜な表情と強さを持ったキャラとして出てくるのは、かなり楽しい。惜しむらくはこの二人の決闘が話の中心でなかったので、あんまり活躍出来なかったと言うところだろうか?

 ただ、あのラストだけは止めて欲しかったな。そりゃ封印した剣を抜いてしまったのだから、町にいられなくなったってのは分かるんだが、それを追いかけるキャラを作ってしまったのは駄目で、一気に興が冷める。前に『座頭市二段斬り』でやったまずい演出が最後の最後で出てしまったなあ。

(評価:★3)

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