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[コメント] 馬(1941/日)

本作を観るまでは山本監督は特撮監督だと思ってた。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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 1930年代後半から、日本の映画はどんどん軍事色に染まるようになっていき、名だたる監督達も、この時期は国のためのプロパガンダ作品に手を染めるようになっていった。  山本監督も又、その映画監督の一人。その圧倒的演出力によって、国策的な映画を何本か撮ることになるのだが、その最初の作品が本作となる。

 ただ、単純な国策映画とは一線を画す演出力もあり、監督自身のフィルモグラフィにおいてもかなりの異色作となった。

 国民高揚を狙うにせよ、本作では戦地描写は一切無く、全て銃後の淡々とした生活がメインとなる。しかも描写が淡々としてるくせに極めて高度な演出に裏打ちされた、臨場感溢れる作品となった。

 どうやらこの作品、山本監督がこれから新しく監督となる助監督の面々を教育するために作ったと言う側面があるらしくて何人もの助監督にシーン毎を撮影させているとのことだが、総合すると一貫した臨場感を出せたのはたいしたものである。

 ただ、演出はとても高度な一方、物語がやや弱いような感じ。特に現代の私の目からすると、どうにも主人公の感情が掴みにくいのが問題。逆に言えば、演出でそこまでの説得力を持たせられなかったと言う事でもある。

 そもそも馬をそんなに大切にする過程が不明だし、それを飲んだとしても、今度は「国のため」と言うだけで喜んでその大切な馬を供出出来るものなのか?なんて事を考えてしまうと、やっぱり説得力が薄いな。

(評価:★3)

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