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[コメント] 築城せよ!(2009/日)

ドラマとして、あるいは商業映画としての瑕疵はいくらでもあるが、朝日を浴びて金色に輝く「段ボールの城」には確かな映画的興奮があった!
ぐるぐる

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







特に序盤の素人臭い芝居と演出にはほとほと参ったが、「築城せよ!」の号令以降じわじわと面白くなる。それはドラマとして話が動いてどうのというより、愛知工業大学開学50周年記念事業として企画され、地域興しプロジェクトとしての一面もあるこの映画に込められた、地元の学生スタッフや協力した市民の人たちのエネルギーが画面から溢れてくるような感じ。それをリードしたプロのスタッフ、特に美術監督の磯見俊裕の貢献度が高い。そうしたエネルギーが、完成した城の勇姿に凝縮される。

二役の片岡愛之助も良かった。全体的にレベルが高いとは言えない演技陣にあって、ほぼ孤軍奮闘の感があり、彼の舞と謡でかなり救われた部分は大きいと思う。それにしても演出の効果的なバックアップが無かったのはちょっとかわいそうだったかも。

音楽監督の赤城忠治は、80年代にテクノポップバンドFILMSを率いていた人で、懐かしい名前だ。手慣れた感じの手工業的な音作りはB級感全開だが、暖かみのある音で画面を引き立てていた。長年親しんで来たテルミンやオンドマルトノ(原田節!)の使い方はさすがに堂に入ってる。

(評価:★4)

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