これがワタシのアイデンティティ

どうやら日本人は一つの拠り所を見つけたみたい。 基本的に西洋コンプレックス丸出しなお国柄。 なんだけど、コトこの映画に関しては。 アニメなんか子供の見るものでしょうとか国外からのバッシングにもめげず。 アニメは高尚な物だって強気な態度。 う〜ん。 野球のイチロー、サッカーの中田。 そして映画は宮崎アニメなのね。

小さい子供に単純化されたゾウさんの絵は見せるけど、写実的に描かれた象の絵は見せないって事

でも、まぁ。アニメが幼稚って言うのはある意味、的を得てると思う。 アニメって目に入って来る情報量が実写と比べると圧倒的に少ないの。 肌の色だって、アニメなんかほぼ肌色一色でしょう。 でも実際の人間の肌ってのはもっと複雑怪奇。 シミ・ソバカスがありーの、ちっちゃなホクロがありーの。 疲れてる時は毛穴が開いちゃったり、ファンデーションの乗りが宜しくなかったり。そしてシワの数は人生の数！ そういう情報が欠如してるの。 極端な話、登場人物が丸と線だけで出来ていたらきっと面白くないはず。 それじゃ人物の表情が分からないし、その他諸々画面からの情報量が少ないものね。 これと同じ事がアニメと実写でも言える。アニメって情報量が少ないの。 特に一番思うのは空気感が無い。 人間、オーラ発しまくりでしょう。 アニメが実写を越える事って言ったらどんなシーンでもどんな構図でも描けるって事かな。 でもそれさえＣＧ技術諸々の向上で危なそうだけど。

仕付けはウチから？

この映画は今までの宮崎アニメとはちょっと違うなと思うのでありますな。 今までって青空の下で健康的な感じがしたんだけど。 今回は時代を反映してなのか、引きこもりって感じ。 だって千尋はでっかい建物の中で行動しているの。 今までも屋内のシーンがあったりもしたけど。 それでも建物がオンボロだったり窓があって外との繋がりがあった。 ラピュタだって壁の隙間から光が射していた・・・様に感じた。 だけど今回はあんまりにも堅固な建物で窓一つない。 唯一解放された空に通じる縦の空間も行き着く先にはドラえもん以上に２身頭な人が居て、外から完全に阻害された空間なの。 閉鎖恐怖症の芋虫的には息が詰まる思いでありました。

スーパー銭湯？超豪華婚礼場？？

宮崎アニメの良さってレトロ感だと思うの。 そこで繰り広げられる人間ドラマだと思うの。 で、今回はレトロ・・・現実臭い。

前口上はどうでも良くって

結局の所、やっぱり本家である例の不思議の国に行った彼女の方が、千尋よりも、芋虫を楽しませてくれたと思ったの。 あの登場人物のシュールさとか、世界観、女の子の成長とかもひっくるめてね。 オリジナルを越えられないんだったら、出来の良いコピーでしかないのかなと。 宮崎先生であればアレを越えられるかと期待してただけに残念。