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[コメント] サイダーハウス・ルール(1999/米)

セント・クラウズに初めて降り立った希望 [9/12再見して修正]
ミュージカラー★梨音令嬢

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







これまで生きてきて1番泣いた映画。私の好きな映画5本の指に入れていい程大好きです。高2の時、主人公と自分の気持ちがピッタリ合わさって、劇場で頭が痛くなる程ボロ泣きした事は今でも忘れられません。

難しい事抜きにしての感想は、人間に対する愛しさが胸一杯に溢れてくる素晴らしい映画。音楽がまたいいんだ、染みるんだ。ハルストレムという監督は常に優しい目線で、愛さずにはいられない人物達を撮る事に非常に長けている。だから、私はこの監督がとても大好きだ。そしてこの映画も大好き。

押しつけられたルールを破る事。それは人間が生きていく上で必要不可欠な事なのだろう。そして、そのルールを破った先に何があるか?そこにはまた嫌になるようなルールが待ち構えているかもしれない。でも、そのルールを破って破っていくうちに、本当に大切な事、本当にいるべき場所というのが判るのではないだろうか?ホーマーの場合、それが自分のすぐ近くにずっとあった事に気付いた。望まれない命をセント・クラウズに運び続けたあの列車が、多分初めてホーマーという、そこを必要とし、自分の本当の居場所として求めている「希望」を運んだような気がした。ホーマーに再会した子供達の嬉しそうな表情に涙が流れてしまった。

この映画には決して人間的に尊敬できる人々が出ている訳ではない。とても身勝手で、自分の事ばかり考えているような人が多い。しかし、だからこそ、だからこそだ、愛を求めたり、自分らしくあろうとしたりする人間の弱さに愛しさを感じずにはいられなくなる。各々の居場所を見付けた笑顔に、人の奥深くにある愛に、涙を流さずにはいられなくなってしまうのだ。

トビー・マグワイアやマイケル・ケインの名演も素晴らしい。トビーの控えめな笑顔が本当に純朴そうでいい。ケイン演じるラーチ先生の発する言葉1つ1つも後に重みを持って感じられた。この説得力や優しさはケインであればこそだろう(前日オースティンを見たせいで色々と言葉にしにくい気持ちもあるが)。キーランはこのままいけばお兄ちゃんよりいい役者になれそう。とても楽しみだ。

言い尽された事しか言えず、相変わらずまとまらないレビューで失礼致しました。しかし、この映画は5本の指どころかマイベストではないかと書いているうちに思ってしまった(笑

(評価:★5)

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