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[コメント] 初恋のきた道(2000/中国)

一途な思いだけが真実なのか。→
むらってぃ大使

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







チャン・ツィイーのアップとスローの多用。上映時間の半分くらいは喜ぶ彼女、不安な彼女、走る彼女、待つ彼女にお付き合いさせて頂いた。

こういうのって、今時珍しいですよねほんと。かの国での恋愛事情田舎編がどんなことになっているのか私には知る由もありませんが、現代の日本であれば中学生か小学生並みの恋愛感情の発露の仕方を見せられて、でもなんだか安心しちゃいましたよ僕は。これはこれでいいじゃないですか。決してそこには戻れない自分を見つめてあぁ、俺は汚れてしまったんだなぁ、とひたれます。

チャン・イーモウなりの、あの映画への挑戦であるということは他の方のコメントを読んで初めて知りました。見上げた根性じゃないですか。ただ、あの映画を批判することがかっこいい、という視点からこの作品を賞賛する、ということにはなりたくないわけです。

山の郵便配達』からの続きですが、中国映画特有の一歩間違えると不自然なまでの、あるがままの自然と心象風景への回帰と賞賛というのは、祖国の素晴らしさを称え、さらなる発展に注力していく活力としよう、というスローガンに思えてしまう恐れがあるわけです。

この映画の中でも、学校の外壁に「知識是祖国発展活力」という標語が書かれていました。それはそのとおりだったのかも知れませんが、何か得体の知れない恐さを感じてしまいます。現代の、上海辺りの中国人がこれを観てどう思うかという点に結構な関心があります。

(2002.3.24)

(評価:★4)

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