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[コメント] ごろつき(1968/日)

東映ファンがまさに泣いて喜ぶ東映史上かつてない貴重な映像が見られる。作品自身は珍品B級の謗りは免れないが・・・
sawa:38

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







先ず高倉健菅原文太の本格的な共演作というのが非常に珍しい。『神戸国際ギャング』ぐらいだろうか。東映での高倉健主演作のチョイ役から徐々に格を上げ主要な脇役の地位にまで上り詰めた菅原文太、そんな菅原文太が大スター高倉健と対等に画面に映る。これだけでも東映ファンには涙がこみ上げてくるはずだ。

そんな熱い気持ちで鑑賞を続けているとソノ貴重なシーンは突然やってくる。

健さんと文太がなんとバーで流しをやるのだ。ふたりが仲良く並び立ち文太はギターを弾き始める。客の注文は何とも『網走番外地』!!アノ文太兄いがイントロを弾き始めた。まさか冗談だよな・・と思った。しかし健さんは唄った!・・・『網走番外地』全シリーズでさえ健さんが主題歌を唄ったシーンなど無かったのに・・・

唖然とする私、しかしさらなる驚きが間髪入れずにやってくる。ふたりは次の客へ進み、健さんが選んだ曲は何と『唐獅子牡丹』!!もちろん『昭和残侠伝』全シリーズにおいても当然のことながらそんなシーンなどある訳ない。

両方のシリーズに携わったマキノ雅弘の粋な計らいなのか、はたまた東映ヤクザのドン俊藤浩滋プロデューサーの為せる業なのか・・いずれにしても酔狂な演出である。当時は「お遊び」の類だったのかもしれないが今となっては大変貴重としか言いようが無いシーンには間違いない。

健さんが唄うといえば、後に外人監督が日本を舞台にした『ブラックレイン』とかいう作品で健さんに唄わせていたが、あの時も周りの日本人スタッフに気の利いた奴が一人でもいればねぇ・・・

(評価:★4)

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