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[コメント] ルワンダの涙(2005/英=独)

たった15年前の「事件」だが、「1994年4月」で検索してみて欲しい。「ルワンダ虐殺」との見出しは一切出てこない。これが日本での認識。そして本作で描かれた国連軍の非力さと身勝手さすら潔く思えてしまえる自衛隊派遣部隊への批判。これが我が国。
sawa:38

あの時私は何をしながらTVニュースを眺めていただろう。アノ数日の日本のマスコミは細川政権が政権を放り投げて大騒ぎしていた時期だった。おそらく私は何の反応もせずに遠くて利害もなさそうな(しかも黒人の)国のニュースを聞き流したのだと思う。

やがて事態の深刻さが明らかになって → この「明らかにする」っていう行為こそ本作の意図そのものなのだろう → 新聞の国際面で小さく扱われ始め、9月から年末にかけて隣国のザイールにルワンダからの難民救援として自衛隊を派遣するっていう大問題に発展していった経緯がある。しかしそれは虐殺云々ではなく、日本主体の人道的な国際救援活動としては最初の例だったからだ。

で、自衛隊はこれまでの拳銃と小銃に加え、初めて機関銃1挺及び82式指揮通信車1両(これは装甲車みたいなもの)を持ち込んだ。なんと機関銃が1挺!このたった1挺ですら当時の社会党は大騒ぎした記憶があります。

彼らはその任務中に日本のNGOが襲撃されるという事件に遭遇する。そしてNGO要員を輸送(護衛)するという事実上の自国民救援に出動してしまった。これは自衛隊の任務を逸脱した暴走であると左派系メディアは叩きました。日本人救出を命じて批判された指揮官はその批判が辛かったと後にその心情をTVで吐露していました。

本作で描かれた国連軍のベルギー部隊やフランス部隊の非力さと身勝手さすら潔く思えてしまいませんか?自国民だけを救出しようとする恥知らずなヨーロッパ人に映画の観客は(少なくとも私は)憤慨する。ヒトとして命の軽重を肌の色や国籍で選別する醜さ。

で、翻って我が国はどうだったのか?そんなこと以前の問題でマスコミが騒いだっていう能天気さ・・・・背筋が寒くなります。こういう作品を社民党や共産党の先生方は鑑賞していったいどのように感じられるのだろう?これが我が国の誇る「平和憲法」の実態なんんだったら、私はそんな憲法ドブにでも捨てちまえと思います。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)りかちゅ[*] プロキオン14

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