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[コメント] 悪い奴ほどよく眠る(1960/日)

誰がやる? それは最初からあの人ではなかったのだろう。
スパルタのキツネ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ラストで西の友人が慟哭したように、本作は、被害者のみが悪を制裁できる、かのように描いていた。確かに復讐心は大きなモチベーションとなるだろう。しかし、復讐と正義は全く別物なのである。いや、復讐こそが悪ではないだろうか?

正義と悪を考える上で最も恐ろしいことは、自分の悪に気づかず、世の為、人の為に必要な正義の行為と考えて、罪を平然と犯してしまうことだろう。西の行動に、この悪の一面が見え隠れしていたことも見逃せない。

汚職の役人連中は、絵に描いたような(世間一般でいう)悪人だった。この描写には不満が残る。彼らにも「正義」の理屈があるはずだ。その捻じ曲がった正義を描写して初めて、「悪い奴ほどよく眠る」といえるのではないだろうか?

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)氷野晴郎[*] ina ぽんしゅう[*]

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