[コメント] TIME タイム(2011/米)
ゆっくりと歩くために〜あるいはガタカ2.0〜
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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21世紀版「ボニー&クライド」であり、21世紀版「ネズミ小僧(小娘)」でもある本作。SFゆえの、設定ありきのストーリーなのだが、やはりこの監督はハイセンスだ。「ガタカの海、ふたたび」的なショットもあり、本作でも海は「人工的なシステムの対極の存在」として、二人を包み込む。たぶん「全力疾走」する生き方をやめられない二人には、ハッピーエンドは来ないだろう。「その時」が来るまで、ただ走り続けて、ただ愛し続けて、ただ与え続ける日々。生きるということはギフト(贈られたもの)だと気がついた二人は、「時」を独り占めして虚しく無為にすごす代わりに、全力で走り続ける幸せを選んだのだ。誰かがゆっくりと歩くためには、誰かが走り続けなくてはいけない。所有する時代から、シェアする時代へのシフトをうまく切り取った作品。
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