その両方を垣間見てしまった事。

　この映画の前に『キッド』を見た。イメージコンサルタントのブルース・ウィリスが３０年後、子供の頃の夢であるパイロットになっている。そこには“人生はいつだってスタートできる”というメッセージが含まれている。きっとそうだろう。人生はいつだってスタートできる。

　でもそのスタートはその時点からの０からのスタートだ。これまでに得たもの・失ったものを手にしたまま、スタートはできない。それが代償。 コーヒーを飲んだからって１３年の歳月が戻るわけではない。 あの幸せな結婚生活が、子供達が、戻ってくるわけじゃない……。

　彼女がそう言った通り、あのラストシーンの後、お互いの道を前進するしかないだろう。

　蛇足：ティア・レオーニはかわいらしい。結婚記念日のプレゼントを渡す時のウキウキシーンが好き。あんな嫁さんならそりゃ社長の生活なんてどうでもよくなるだろう。