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[コメント] ぼくのバラ色の人生(1997/英=仏=ベルギー)

バカは死ななきゃ治らないとか?
mize

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 心底バカな親は、我が子が死ななきゃその大切さに気づかないとでもいうんだろうか、あのラスト。実際そういうものかも。そうじゃないかも。子供がいないからそこんとこ判らないけど、そうでなきゃいいと思う。

 あの自殺を示唆するようなラスト、結局は子供への愛をやっと思い出した母親が必死で呼び戻すと無事生きてたし、これからは親子仲良く支えあって行こうねって感じで終わって、まぁハッピーエンドになっている。でもあの子は確かに一度は死んでいなくなってしまいたいと思った。思ってしまった。あんなに小さい子をそこまで追い詰める作り手のやり口に不快感を感じてしまう。

 多分、実際同じような子供がどんなに辛いか、周囲の理解をなかなか得られないその苦しさを観客に知ってもらうために、あの母親の役が必要だと思ったのかも知れない。愚かな人間を映すことで、賢さを教えようとする物語の作り方ってあるかも知れない。でも自分はそれってあまり上等だとは思えない。

 あの頭の悪い幼稚な母親に本気で腹が立つのは、それだけ主人公の少年を実在の人間のように受け止められるからだろうし、それは演じる少年と作り手が巧いということに他ならないんだけど…。でも品がない。あまりにも母親の地点がマイナスすぎて、どうせ最後はゼロにやっとこさ辿り着くんだろーと、判りきった説教をクドクド受けてるときみたいにイライラする。

 あのラストシーンの後からを描いて欲しい。理解と愛情を示したあの後だって、まだまだ困難な道のりが待ってるだろうと思うから。そこから先を知りたいんだ。

(評価:★1)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)movableinferno[*] Bunge[*] Aさの[*]

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