[コメント] リディック(2004/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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◆ジンギスカン鍋みたいな鋳鉄製風宇宙船が、ディーゼルエンジンで動いてるような描写がとっても素敵。主演がヴィン・ディーゼルだしな(自爆)。バ〜ンとロングでのシーンだけじゃなく、さりげないところにもSFファンが泣いて喜ぶようなビジュアルが目白押し。例えば宇宙船が大気中で姿勢を変えるときにいちいちフラップをぱたぱたするところとか、上下可動式の看守室(?)が、グリスまみれのギアがぐりぐり回って上下するところとか、ね。
◆あまたの惑星系のお尋ね者ヴィン・ディーゼルリディックなんだが、ただ単に伝説のナントカ人でアウトローってだけで、言うほどワルにはどーしても見えない。基本的に目が優しいし。まぁ、あまり行きすぎると観客も引いちゃって感情移入しづらいってのもわかるけどね。もすこし悪魔的側面(キレると何しでかすかわからない)も見せてよかったのでは。アクションはそれなりにカッコよかったものの、こう目が肥えてしまっては特筆すべきものはなし。残念。『リベリオン』の勝ち斬り。ネクロモンガー(口に出して言うのがちょっと恥ずかしい)の大ボスもこれじゃかなり安い。残念。『SW』の勝ち斬り。
◆しかし欧米人ってほんとーにこういう「圧制を敷く悪の帝国に立ち向かう正義のなんたら」っていう設定がお好きですな。正直ウンザリなんですわ。描写はたいそうSFしてるんですが、設定やストーリーそれ自体はSFでもなんでもないのが不満。”アンダーバース”のナゾ解明待ち。その点ピッチブラックはモンスター映画としても、SF映画としてもすこぶるよくできていたんだけどな。こんなにSFわかってる監督なのに、残念。『ST』の勝ち斬り。
◆『ピッチブラック』が映画としてあまりに面白く、ヴィン・ディーゼル演じるリディックがあまりに魅力あるキャラクターだったため、この映画がスピンアウトしたんだろう。でも宣伝なんかにはまったく前作のことが触れられていないのは何故だ。あまりに細々とした公開だったので有力な宣伝材料とはならないと判断したのだろうな。残念。
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